朗読芝居(63)江戸川乱歩 作 「人間椅子」④をアップします。謎の男による、人間椅子になったことの目的、そして予想しなかった快楽が語られます。ますます引き込まれて行く、閨秀作家、佳子の姿が浮かびます。
倉林成年 倉林成年
27 subscribers
34 views
3

 Published On Jun 1, 2024

朗読芝居(63)江戸川乱歩 作 「人間椅子」④をアップします。

謎の男による、人間椅子になったことの目的が実は盗みであったこと。椅子のお蔭で、盗みが成功し、うまく逃げおおせることを喜ぶ男。

しかし、それ以上に男にとって、椅子の中というくらい閉ざされた空間の中で、その二、三十倍も楽しめる快感となったのが、人間を、それまでの見た目ではなく、「肌触り」に見分けることでした。
これまで、自分の外観にずっとコンプレックスを持っていた男には、また、初めての感覚であったことでしょう。

しかし、話を語る中で、「もうとっくにお気づきでございましょうが」とか、「奥様、仮にあなたが、私の位置に…」とか、佳子にターゲットを当てていて、人を惹きつけて手紙を書く、謎の男は手紙が書くのがうまいなぁ、とつくづく思いました。
男ではなく、江戸川乱歩のうまさかな(笑)。

他の「朗読芝居」作品も、下記のアドレスの「『朗読芝居』ライブラリー」でまとめておりますので、こちらからお楽しみ下さい。 https://naruleadence.wixsite.com/roudokuli...

show more

Share/Embed