三本槍岳をいく|別の惑星のような異世界感。風が刻む紋様、そしてはるかな白。
It's a nice day to climb alone! It's a nice day to climb alone!
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 Published On Mar 28, 2022

那須塩原駅でレンタカーに乗り換え。
気持ちの良い直線の道、県道55号を北へ走るとすぐに那須連峰の姿が中空に浮かび上がってくる。目指す場所がこんなにわかりやすい道もない。

とても暖かい日で、街は春のウキウキした空気に包まれているが、目の前に現れる山々は、白く聳えている。もっと岩肌が見えている感じかと思っていたので、存外たっぷり白いのに驚く。

車は那須の別荘地へ入り、カラマツの林を走り抜けていく。
高原の明るさ、爽やかさを感じながら、鹿の湯に至る。ここからは山岳道路。いくつものヘアピンカーブを走る。

那須連峰は、王道の茶臼岳にしか登ったことがないですが、ぽっかり口をあけた山頂溶岩ドームも大迫力で、火山火山した景観はかなりお気に入りです。この連峰、いろいろなルートがあって、ワクワクするようなやってみたいルートがいくつかあります。

まず、なんといっても三斗小屋温泉、煙草屋旅館に泊まってみたい。
しかし、ここへ降りる道は、えらい悪路で難儀するのに、旅館の到着時刻が遅れるとどえらく叱られるらしい(笑)(※登山のお師匠の個人的な見解です)
ならば出発を早めるしかないと思うのですが、そうすると天気やら予約やら前乗りやら
スケジュールに余裕がないと難しく、まだ実現にいたっていないです。また、煙草屋旅館に泊まるか、テント泊にするのかも悩んじゃうところ。テント泊しても温泉には浸かれるという火山バンザイな旅。最高ですね!

ただ、テント背負っての悪路ってのが、どれくらい時間がかかるのか?やっぱり叱られることになるのかな(笑)
三斗小屋温泉泊にすれば、余裕をもって朝日岳、三本槍岳と縦走ができます。那須連峰を楽しみ尽くすには、このコースはいいなぁと思っていました。

それから、沼原湿原を出発して姥ケ原、牛ヶ首を経て茶臼岳に登るコース。
ちょっと熊の目撃情報多めですが(笑)湿原のいろいろな植生を観察しながら、茶臼岳の山頂を目指すコースです。まさにまだ白い噴煙をあげている噴出口に近づきますので、モクモクを横目に見ながら、息を止めてささっと歩かなければならないところが出てきます。このコースも、きっと活きた火山を五感で感じることができるだろうと想像し、心惹かれています。

というわけで、三本槍岳は縦走の最後にとっとく山で、単独で登ってみるイメージじゃなかったのですが、青春18きっぷのコスパを活かそうと、そうだ!那須連峰行こう~、じゃ三本槍岳登ってみよう~となって向かいました。

三本槍なんて名前だと、さぞかし鋭鋒のように感じますが、ギザギザが険しく美しいのは朝日岳で、三本槍岳は、まあるいどっしりとした山です。

夏路はどうなっているのかわかりませんが、遊歩道分岐から、中ノ大倉尾根に乗っても
なだらかな尾根で、雪原のようです。その先にぽこりが見えます。ぽこりを直登し、またまた現れる雪原を少し歩くと奥にまたぽこりが。それが三本槍岳です。

茶臼岳や朝日岳に比べ、訪ねる人も少なく・・・ぼっち登山日和好みの静かな山旅が味わえます(笑)

位置的には、那須火山群の北端で、福島県と栃木県の境となります。茶臼、朝日、三本槍の順に雪が多くなっているように見えました。風が茶臼の方から吹き付けているのかな?

火山を登ると地球の胎動が感じられて別の星に来たかのような印象をもつものですが、
雪の白に隠されてもなお、形姿上の荒々しさを感じます。清水平の一帯、とりつく樹木がないために、地面にえびのしっぽができているかのごとく。シュカブラのようにたおやかなものではなく、そう...鋭利なもので刻んだかのような。那須ならではの風と空気の湿り気とがつくりだす紋様もなかなかの異世界感が漂います。また、鋭鋒、朝日岳の荒々しい姿をずっと見ながらの天空眺望は素晴らしく魅力的です。

三本槍岳は那須、黒羽、会津の三藩が領界確認のため槍を立てたことが山名の由来となったというのが通説だそうです。なので、なんで、ぼっち登山日和の槍もっていかなかったのか、悔やまれます。(そもそも槍、持ってないでしょ(笑))ムダに領界を主張してみたかった。

ただ、この日、この一瞬。360度が見渡せる大展望は、私のもの、私だけのものでした。

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★登山記録★
【日程】2022年3月5日
【天候】晴
    標高1,462m(展望台)付近:プラス4度(3/5・10:12AM)
【登山口へのアクセス方法】電車・現地レンタカー
【登山記録】
ゴンドラ山頂駅(9:40)・・・ロープウェイ遊歩道北分岐(10:12)・・・中ノ大倉尾根分岐(10:20)・・・三本槍岳(12:40)・・・スダレ山(13:46)・・・ロープウェイ遊歩道北分岐(14:42)

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