神武天皇はいつ即位したの?複雑怪奇な紀年論
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 Published On Jun 25, 2024

こんにちは、むらくも歴史チャンネルです

『日本書紀』の紀年がどのように構成されているかは、長年の研究対象です。

歴史学界隈では、紀年論といわれているようです。

神武天皇から編年が記され絶対年代が明示され始めます。

神武天皇の崩御年齢127歳、崇神天皇120歳、垂仁天皇140歳など、明らかに人間の平均寿命を超えています。

そして、なぜこの様な長寿命を記したのかというと、建国を少しでも古くみせるためだという説が一般的です。

日本国が如何に古くからあるかを誇示するために、歴代天皇の長寿を記しているという説です。

他国でも中国等は同等の歴史表記を行っています。

これら古代の天皇の不自然に長い寿命を説明する説として春秋二倍暦説があります。

これは春と夏で1年、秋と冬で1年と数えていたものが、『日本書紀』編纂時にはこれが忘れ去られていたため天皇の年齢が二倍になったという仮説です。

この春秋暦説を唱えた人物として、明治時代に『和洋對暦表』を発表したデンマークのウィリアム・ブラムセンが類似した説を唱えています。

日本の研究家でも、『魏志倭人伝』などの「その俗、正歳四節を知らず、ただ春耕し秋収穫するを計って年紀と為す」をもって春秋暦説を主張している学者も存在します。

■ 『日本書紀』の即位干支から推定する

神武天皇の即位年代について、紀元前660年説はほぼ否定されています。

日本書紀には天皇の即位干支が掲載されています。太歳○○となっているところです
干支というのは、エトの組み合わせで、十二支と十干があります。

ちなみに、2024年の干支は甲辰(きのえたつ)です。

60年周期なので次の甲辰は2084年です。

日本書紀に神武天皇の即位は、辛酉(かのととり/しんゆう)と書かれています。

神武天皇の時代に該当しそうな辛酉は、下記の通り61年、121年、181年、241年、301年、361年の範囲にあると推測されます。

■【私見】アマテラス・卑弥呼同一人物説から年代を推定する

魏志倭人伝をみると、ちょうど神武即位の年代にあたる238年、卑弥呼が魏に使者を送り「親魏倭王」を称されたとあります。

やはり、卑弥呼は九州、神武天皇は大和と、別々の政権であることがわかります。

238年ですと、まだ神武天皇は即位前で、国王ではないというのもアリかもしれません。

同じ政権であれば神武天皇やその前後のウガヤフキアエズや綏靖天皇が親魏倭王になるはずなのですが、皆男王であり女王ではありません。

神功皇后(成務天皇と仲哀天皇の時代)まで女帝は出てきません。

親魏倭王は女王であって男王ではないのですから、日本書紀のこの年代に女王はいません。

そうなっていないということは、別政権なんでしょう。

『日本書紀』神功皇后紀に魏志倭人伝の記載がありますが、どうみても年代が合いません。

記紀が邪馬台国のことに触れないのが理解できます。

【目次】

00:00 スタート
01:48 『日本書紀』の即位干支から推定する
04:18 平均在位年数から推定
05:22 二倍暦年説
08:20 平均在位11.9年でシミュレーション
09:33 【私見】アマテラス・卑弥呼同一人物説から年代を推定する
11:12 アマテラスの五男神
12:37 ウガヤフキアエズと熊野楠日
13:44 五男神の年代推定
16:32 まとめ


日本古代史の謎を紐解き、すこしでも本来の日本建国の姿を再現できればと思い、ご紹介させていただきました

このチャンネルでは、独自の視点から見た歴史について発信しています

この動画は下記の音声読み上げソフト、画像、動画、音楽を使用しています。
・Wikipedia
・Adobe stock
・illust AC
・YouTube オーディオライブラリ
・VOICEPEAK

【参考書籍】
・『日本書紀上下』宇治谷孟 著 講談社学術文庫
・『古事記上中下』次田真幸 著 講談社学術文庫
・『記紀以前の資料による古代日本正史』原田常治 著
・『日本書紀と神社が語る天皇誕生史』崎元正教 著
・『弥生時代の歴史』 藤尾慎一郎 著 講談社現代新書
・『弥生時代はどう変わるか』 広瀬和雄編 学生社
・『古代日本神話の考古学』関裕二 著 河出書房新社
・『日本の誕生』長浜浩明 著 WAC
・『古代天皇長寿の謎』貝田禎造 著 ロッコウブックス
・『日本書紀の真実 紀年論を解く』倉西裕子 著 講談社選書メチエ

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