【史上最長片道切符12-2】民間フェリーに完全敗北した「旧・国鉄の連絡船」がいました。 仁方→堀江 クルーズフェリー SEA PASEO(瀬戸内海汽船)
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 Published On Dec 17, 2023

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~前の動画~
   • 【史上最長片道切符12-1】海の車窓が一番美しいローカル線を見つけました。...  
~関連動画~
   • 【史上最長片道切符1-1】枕崎→様似 13,423.7キロの旅  
   • 「史上最長片道切符」とはなにか  
   • 史上最長片道切符の旅  
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史上最長片道切符の旅12日目では、広島県中部から愛媛県に入り、松山市まで移動します。
前回、瀬戸内海の車窓が美しいJR呉線に乗車し、呉市東部に位置する仁方駅で下車しました。
仁方駅からは、1982年6月まで国鉄の「仁堀連絡船」という航路が運航されており、国鉄の普通乗車券にこの航路を組み込んで旅をすることができました。戦後すぐに運行を開始した仁堀航路は、当初こそ石炭不足により列車の運行もままならない状況において貴重な移動手段として重宝されていましたが、時代が下ると他の民間航路との競争に負けて閑古鳥が鳴き、末期には一日2往復のみの運転となっていました。
この航路と宇高連絡船(岡山県~香川県)を経路に組み込むことで、最長片道切符は四国を経由することができていましたが、仁堀航路が廃止されたことにより宇高航路(のちの瀬戸大橋線)のみとなり、今日に至るまで四国は最長片道切符のルートから外れてしまうことになったのです。1982年(昭和57年)の6月23日に東北新幹線(大宮~盛岡)が開業し、同30日に仁堀連絡船が廃止されるまでの8日間が、最長片道切符の経路が史上最長(13423.7キロ)となったわけです。
仁方駅の桟橋は、駅の南にある連絡船乗り換え専用改札口を出て徒歩10分ほどのところにありました。仁方港は2007年を最後に他の民間航路も全て消滅していますが、脇には桟橋の待合所が残っており、これは仁堀航路も使っていた建物のようです。また動画内では発見できませんでしたが、桟橋のロータリーの一角に仁堀連絡船があったことを記念する石碑がひっそりと立っています。

仁堀航路に最も近い民間の航路は、同じく呉市内の阿賀港と堀江駅を結ぶものでしたが、そちらも2009年に廃止され、現在は広島港~呉中央桟橋~松山観光港を結ぶ航路のみが存続しており、そちらに乗船するために呉駅まで移動しました。
連絡船との乗換改札があった仁方駅南口のロータリーから、広電の路線バスに乗車し、呉市第2の拠点である広地区をなどを通っていきます。基本的には国道185号を走行しますが、休山の山越えの区間のみバスは旧道に逸れて呉越峠を越える道路を進みます。1960年代まで呉市電も通るなど長らく呉市内の交通の動脈でしたが、渋滞がひどかったため2002年に休山トンネル(休山新道)の供用が開始されたことで旧道となりました。
旧道は結構な坂道ですが、沿道にはお構いなしに住宅地が広がっています。呉市は明治時代から海軍の呉鎮守府が置かれ、江戸時代までの寒村から大変貌を遂げた街です。平地が狭いため坂の上にまで住宅が進出した景観が既に戦前から形成され、坂が多い街として知られます。このバスでも、峠越えの途中にあるバス停からお年寄りがたくさん乗車してきました。

JRでは約20分で呉駅まで到着するところ、バスで50分近くかけて呉駅まで移動しました。駅の北側には呉の中心市街地が広がっていますが、一見したところ土曜日にも関わらずそこまで人通りが多くないように見えました。
戦後、呉は旧日本軍が解体されて以降も栄え、海軍を引き継いだ海上自衛隊の基地や、造船技術を基にした工業が盛んな都市として長らく人口20万人台を保ってきました。しかし近年は産業の衰退が進んでおり、現在は中国四国地方で最も人口減少率が激しいそうです。2023年には呉港の近くに位置する日本製鉄の工場も完全に稼働を停止し、人口減少に拍車がかかることが危惧されています。人通りの少なさはその表れなのかもしれません。
乗船するフェリーが発着する呉中央桟橋は、呉駅から徒歩7分ほど、屋根付きのデッキを伝うことで雨に濡れることなくアクセスできます。近くには戦艦大和の博物館(大和ミュージアム)や海上自衛隊の呉基地近くの「歴史の見える丘」(ヤマトが建造された造船所などを望める)などの観光資源も集中しています。

広島~呉~松山の航路は2社による共同運航で高速船(スーパージェット)とフェリー(クルーズフェリー)が運航されており、合計19往復と、かなりの便数が設けられています。呉~松山の所要時間は、フェリーだと2時間、高速船だと半分の1時間です。今回は広島県側の会社、瀬戸内海汽船(もう一社は、愛媛県側の石崎汽船)が運航するフェリー「シーパセオ」に乗船しました。
2020年に就航したとても新しい船で、温かみと新鮮さの両方を感じられる内装が最大の特徴です。極めつけは屋上のデッキで、緑色の芝生に上屋付きのベンチが点在する、まるで最新の都市公園のようなデザインには目を奪われました。共同運航する石崎汽船のフェリーもほぼ同じ年代に建造された船で、こちらのデザインも温かみがあります。どちらに乗船しても、2時間の船旅でも飽きることはないでしょう。

波が穏やかな瀬戸内海ということもあり、2時間の航海中ほとんど揺れることはありませんでした。特に周りのほとんどを陸地に囲まれた呉湾にいる間は全くと言っていいほど波が立っておらず、この地が海軍の基地に選ばれたのも納得です。
その呉湾の数少ない外海との出入り口である「音戸の瀬戸」をシーパセオは通ります。この航路最大の見どころで、上空に架かる2本の橋の下をくぐります。本州と倉橋島の間にある音戸の瀬戸は古代から海上交通の要衝であり、幅が最大で100メートルほどしかないために衝突防止のためフェリーは最徐行で通過します。
音戸の瀬戸で呉湾を抜けたのち、1時間ほど瀬戸内海の島々を眺めながら快適な船内で過ごすと、船は松山観光港に着きます。そこから連絡バスに2分だけ乗車すると、伊予鉄道高浜線の終点、高浜駅に到着です。駅前にある高浜港からは近隣の忽那諸島へ向かうフェリーが発着しており、遠方の広島・小倉へ向かうフェリーが発着する松山観光港と対をなしています。
この航路と高浜線の電車を、連絡バスを介して乗り継ぐことで、松山市の中心駅である松山市駅(伊予鉄)まで移動することができます。呉駅から松山市駅まで、フェリーだと約2時間40分、高速船だと1時間40分で移動できます。また、広島市の中心地、紙屋町からだと、路面電車と高速船、伊予鉄の乗り継いで約2時間40分と、とんでもない速さです。

0:00 仁方駅
0:22 今回のルート
0:31 仁堀連絡船(仁堀航路)
1:41 仁堀桟橋跡
3:02 仁方~呉(広電バス)
7:29 呉駅・中央桟橋
9:51 広島~呉~松山航路(シーパセオ)
14:10 音戸の瀬戸
16:18 航路のダイヤ
16:50 松山観光港
18:25 高浜駅
19:41 伊予鉄道 高浜線 梅津寺駅・港山駅
22:04 三津の渡し
24:05 三津浜の街並み
27:59 伊予鉄三津駅とJR三津浜駅
30:45 堀江駅
31:31 堀江桟橋跡
33:53 予讃本線 堀江~松山
35:22 松山駅
36:22 締め
37:04 お知らせ・ルート振り返り
38:46 使用金額・ED

この動画では、フリー動画サイト「DOVA Syndrome」からダウンロードした以下のBGMを利用しています。
(作曲家名は敬称略)

切なき思い出を辿る旅 作曲:alaki paca
https://dova-s.jp/bgm/play14759.html
スペースホッパー 作曲:まんぼう二等兵
https://dova-s.jp/bgm/play4517.html
天駆ける船 作曲:G-MIYA
https://dova-s.jp/bgm/play1870.html
鴎とバイク 作曲:のる
https://dova-s.jp/bgm/play14939.html
HAYABUSA 作曲:GT-K
https://dova-s.jp/bgm/download2528.html
World Heritage 作曲:雨宮
https://dova-s.jp/bgm/play3881.html
青空の下 作曲:オオヒラセイジ
https://dova-s.jp/bgm/play8754.html

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日本は世界有数の鉄道大国です。鉄道を愛好する人の数も世界と比べて圧倒的に多く、桜が咲き誇る時期にも、雪に閉ざされる季節にも、多くの「鉄道ファン」たちが全国に足を延ばし、各地で汽車旅を楽しみます。

そんな「鉄道ファン」の間で、究極の鉄道旅行とされているものが「最長片道切符の旅」と呼ばれるものです。
JRでは、ルートが1本の線になっていさえすれば、基本的にいくらでも経路の長い乗車券を買い求めることができます。そのルールをもとに、理論上考えられる最長の経路となるものが「最長片道切符」と呼ばれる切符です。
1枚の切符で、日本列島の北から南までいろいろなところを巡りながら旅をすることができ、毎年多くの鉄道マニアがこの切符を買って旅行をしています。

現在、最長片道切符の経路の長さはおよそ1万キロです。しかし時代をさかのぼれば、JR、そしてその前身である国鉄は今よりはるかに多くの路線を持っており、もっと長い距離を1枚の切符で乗ることができていました。最もその経路が長かったのは、1982年6月23日から同年6月30日までの間です。鹿児島県の枕崎駅から、九州、本州、四国、また本州に戻り、東北地方を北上して北海道の様似駅まで、総延長13423.7キロメートル。極東のロシア・ウラジオストクから、ユーラシア大陸の最西端、ポルトガルのロカ岬まで行けてしまう長さです。

今回私は、この「史上最長片道切符」のルートを全てたどる旅を行います。途中には廃止された路線を通る区間もあるので、すべてを鉄道でたどることはできません。そういった区間では、並行して走っているバスに乗ります。ところどころ存在する、バスすら廃止されてしまった区間では、徒歩で移動することもあります。
1982年から2022年、40年の月日がたち、「史上最長片道切符」の沿線地域の交通事情は大きく変化しました。その時代の流れを皆様にご紹介しながら旅をしていきます。

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