Published On Jan 9, 2024
運転手不足は、バス会社の経営そのものを左右します。
この日、行われていたのは、道南バスの就職説明会です。
30代以下の運転手は全体のわずか2%。
去年は11人が入社しましたが、定年などで20人が退社しています。
道南バス労務部 吉田明部長
「今後、乗務員がいなければ(路線の)縮小も考えなくてはいけないのではないかと懸念される」
鉄道に代わるバスの運転手とともに、「稼ぎ頭」の都市間バスの運転手も確保したい。
スカウトにも力が入ります。
路線バスの運転には「大型二種免許」も必要で、免許を取るだけでも大変そうなイメージがつきまとうのです。
道南バス労務部 吉田明部長
「(運転手の仕事に)まず触れ合える。そしてハードルを少しでも下げて、バスの運転手をやってよかったというものをPRできればいいかなと思うので、まだまだ時間はかかるし、このハードルの高さを下げるのは難しいかなと」
鈴木皓太記者
「平日の日中にも関わらず多くの人が並んでいます」
利用者が多いのになぜ廃止になるのか。
鉄道の存続に向けて動きだした人たちがいます。
JR函館線の余市駅です。
鈴木皓太記者
「余市駅のホームですが、平日の日中にも関わらず、多くの人が並んでいます」
小樽と余市の間は、国鉄時代の廃線基準とされた、輸送密度2000人を超える区間ですが、余市町は鉄道の廃止に合意しています。
鉄道で通学する高校生
「(車内で)毎日立つ人が数人出る。鉄道がなくなると聞くと大丈夫なのかなと思ってしまう」
奈良から来た観光客
「鉄道の方が定刻通りに来るので旅行に来た時に予定は組みやすい」
利用者がいるのに残せないのか?バスの運転手不足の今こそ、鉄道の存続を訴える人たちがいます。
余市駅を存続する会 笹浪淳史代表
「この地域の公共交通機関がうまく発展することが一番だと思っていますので、その中で鉄道という方法が私は最善だと思う」
バスに比べ鉄道は、運転手1人で、多くの人たちを運ぶことができるのがメリット。
笹浪さんたちは、町議会議員や専門家とともに、小樽-余市間の鉄道を存続させる方法を模索しています。
余市駅を存続する会 笹浪淳史代表
「実際、鉄道が無くなったということになると、後悔するかもしれませんので、今、私たちができることはその声を上げ続けて町が変わっていくこと」
新幹線の開業まで10年を切った今、街にとって、持続可能な交通手段は何なのか、問い直すべき時なのかもしれません。
小樽駅から余市駅の間を第三セクター方式で存続した場合(鉄道存続の場合)、初期投資に45億円が必要で、30年後は206億円の累計赤字が見込まれます。
一方で、バスだと初期投資はおよそ6億円。30年後の累計赤字は18億円です。
バスのみ補助金が入った金額です。
バスの方が費用は格段に安いですが、バス運転手は高齢化などで年々減少していて、そもそも路線が維持できるか見通しは立っていません。
新幹線が札幌に来る一方で、地域の人が使いやすい交通は何なのか。解決すべき問題が山積みです。2024年01月09日(火) 18時14分 更新
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