【ルート解説】巻機山 天上の楽園のような稜線歩きを日帰りで楽しむ【日本百名山】Couse Guide of Mt. Makihata most beautiful ridges of Japan
ひとり登山チャンネル ひとり登山チャンネル
11K subscribers
11,965 views
209

 Published On Aug 29, 2022

2022年8月22日、新潟・群馬の2県にまたがる百名山「巻機山(まきはたやま)」に登りました。桜坂駐車場に車を停め、井戸尾根経由で巻機山山頂へ。そこからは時間と天気と相談しながら「牛ケ岳」と「割引岳」にも足を延ばす計画です。
今回、かなりの時間をガス切れ待ちと撮影に費やしたのでコースタイムを大幅にオーバーした活動時間になっております。活動時間は参考になさらないでください。


【お知らせ】
★4Kに対応した編集をしています。メインカメラは4Kで撮影しておりますが、一部のシーンは4K非対応のカメラで撮影しておりますのでそれほど画質が良くありません。薄暗いシーンは光量不足により手ブレしていて見苦しい場面などがあります。ご承知おきください。

【チャプターリスト】
0:00 オープニング・登山口へのアクセス
1:38 桜坂駐車場~前巻機
4:55 前巻機~巻機山
7:44 巻機山~牛ケ岳
10:54 牛ケ岳~割引岳
14:36 割引岳~前巻機
17:16 前巻機から下山・エンディング


【登山口までのアクセス・駐車場情報】
関越自動車道の塩沢石打ICより県道28号、国道291号を経由し、林道を突き当りまで進むと桜坂駐車場です。ICから25分ほどです。林道は所々狭いですがすべて舗装されています。県道28号と国道291号の交差点付近に最後のコンビニ、セブンイレブンがあります。(2022年8月現在)
駐車場は4つに分かれています。どこに停めても500円、出庫するときに料金所の方に払う形式です。第1と第2は隣り合っていて料金所と出来たばかりのトイレ、休憩所、靴洗い場などがあります。第3はそのすぐ上にありますが、入口が分かりにくいので一番人気がありません。第4は一番奥の登山口のそばにあります。
車中泊をする場合、トイレが目の前で便利なのは第1と第2ですが、車の出入りや人の気配が多く落ち着きません。第4は登山口は近いですがトイレまで遠いです。おススメは第3です。トイレもすぐ下にありますし、夜中に他の車が入ってくることがほとんどないので静か、高台にあるため駐車場から天狗岩や割引岳が見えます。


【ルート概要】
①桜坂駐車場~前巻機(CT:3時間半)
桜坂駐車場の第4駐車場の奥に登山口があります。舗装された坂を数10m登ると、右が井戸尾根コース、左がヌクビ沢・天狗尾根コースへ進む分岐が現れます。左のコースは沢沿いに登る上級者コースで下山は禁止されています。しかも登山口の看板に「コース雪解けまでは入山禁止(9月上旬まで残雪有り)」との記述があります。今回は岩場ではなく山の上にある池塘(ちとう)や明るい草原の稜線歩きが目当てです。冒険せずに井戸尾根コースを選びます。
分岐を右に曲がり、林道を少し進むと「尾根コース登り口」という道標柱があります。ここから前巻機まで標高差約1100m、3.7㎞の登りです。階段などはほぼ整備されておらず、岩と土が半々の道です。所々、むき出しの土に刻まれた足跡が階段状になっているところがあります。下るときに滑りやすいので注意が必要です。
登り始めから五合目までは樹林帯の中の急登です。標高が低いため明け方でも蒸し暑く虫もいますがヤマビルは見かけませんでした。標高が上がるにつれ、きれいなブナの森になり時々眺望がある場所に出ます。左手には大迫力でそびえ立つ「天狗岩」や割引岳に続くヌクビ沢、右手には厳めしい岩壁を擁する「大源太山」の雄姿が見えます。七合目付近から低木とクマザサの明るい道になり、八合目からは木道や階段が整備された歩きやすい道になります。展望抜群の斜面を登っていくと2つのピークを持つ九合目、前巻機(ニセ巻機)に到着します。

②前巻機~巻機山(CT:1時間)
前巻機までは登り一辺倒でなかなか辛い登山でしたが、この先は天国です。アップダウンは基本的になだらかで、歩きやすい木道や階段が整備されています。登山道のそばに高い木はなく全て草原か笹原、あちこちに池塘が点在し花が咲き乱れる中を歩きます。
前巻機から15分ほどなだらかに下ると、きれいな避難小屋があります。誰でも無料で利用でき、裏にトイレもあります。小屋は2階建てになっており、緊急用の無線なども備え付けられていました。
避難小屋から10分ほど登っていくと、1つ目の池塘が出てきます。すぐ脇に木道が通っているので水の中も観察できます。池塘をスタートし、やや急な坂を80mほど登ると、巻機山の山頂標やベンチがある広場に出ます。ここは「御機屋(おはたや)」と呼ばれるピークで、この山塊の交差点にもなっています。右に進むと牛ケ岳、左に進むと割引岳です。そこから牛ケ岳方面に10分ほど進んだところにあるケルンがあるピークが巻機山(1967m)の山頂です。その間に笑顔のように見える池塘がありとても雰囲気が良いので、御機屋で終わりにせず、せめて本当の山頂までは進むことをおすすめします。

③巻機山~牛ケ岳(CT:30分)
巻機山から一旦下って、登り返すと牛ケ岳に到着します。きれいな池塘や下の斜面に残る雪渓、花や草紅葉などが楽しめる道です。この間はアップダウンもゆるやかで眺めも良く、とても気持ちのいい稜線歩きが楽しめます。牛ケ岳の先端からは八海山・越後駒ケ岳・中ノ岳の越後三山や、田んぼが美しい南魚沼の平野がよく見えます。体力的な負担も少なく、往復1時間でこの体験ができるのはとても貴重だと思います。
牛ケ岳から先にも道は続いていますが上級者向けの厳しいルートのようです。来た方向を振り返ると、たおやかな巻機山、そしてきれいな三角形の割引岳まで道が続いているのが見えます。

④御機屋~割引岳(CT:30分)
御機屋から稜線の北側に下り、斜面をトラバースする道を進みます。一つのピークの肩を通り過ぎ一旦下るとヌクビ沢コースへの分岐(下山は禁止)があるコルに着きます。ここから割引岳山頂まではYAMAPでは破線ルートになっていますが、特に危険のない一般的な登山道です。標高差60mほど登ると割引岳の狭い山頂に立つことができます。山頂からは西側の山々が良く見えます。山頂の南側には天狗尾根コースから上がってくる道(下山禁止)が、北側にはさらに先へと進む上級者コースが続いています。
牛ケ岳方面よりもアップダウンが激しいですが、道端に咲く花の種類が多く、地形的な面白さもあります。体力的に余裕があればこちらも回るといいと思います。

割引岳から登山口までは来た道を戻ります。コースタイムは4時間ほどです。前巻機から登山口までの下りはとても長く感じられます。樹林帯に入って眺望がなくなってからは特に延々と感じられ、しかも下れば下るほど蒸し暑くなります。下山の時間と体力を計算に入れて行動する必要があります。


【感想】
登山口から前巻機までは延々と単調な登りが続きますが、そこを乗り切ればそこは天上の楽園。咲き乱れる花、風にそよいで波打つ草原、なぜこんな高台に水が溜まっているのか不思議な池塘の数々。そして周囲を取り囲む個性豊かな山々。歩いているだけで幸福感に包まれるような世界です。百名山の中では地味な印象の山でこれまで敬遠していましたがとんでもない。何度も登りたくなる素晴らしい山です。
しかも、牛ケ岳方面の草原は少し黄色く色づいていましたので、もう少しで金色に輝く草紅葉の原が楽しめると思います。これからの季節に超おすすめの山です。登られる際には、御機屋にある巻機山の山頂標で折り返すのではなく、巻機山の本当の山頂と、できれば牛ケ岳も訪れてみてください。個人的にはその区間が一番この山の個性が楽しめる場所だと思います。

どの天気予報を見てもこの日の巻機山は晴れでした。ところが八合目より上から牛ケ岳到着直前まで、まつ毛が水滴で白くなるほど濃いガスの中でした。ガスが晴れることを信じて、道端の花や池塘の植物などをじっくり撮影しながら進みました。牛ケ岳への最後の登りを登っていると、急にガスが晴れ、越後三山が突然視界に飛び込んできました。泣きそうになるほど感動的な瞬間でした。この時の様子は是非動画でご覧いただきたいと思います。


【おすすめポイントまとめ】
①静かな車中泊には第3駐車場を。
②是非とも牛ケ岳まで行こう。
③これから草紅葉!最高の季節到来。


【BGM】
Song2,5 :from MATSU(   / matsu_ma2sound  )
Song3: Kevin Graham - Breaking Through(Vlog No Copyright Music)
Song4: Hammock Style - Silent Partner(YouTube Audio Library)
Song6: Water Lily - The 126ers(YouTube Audio Library)
Song7: Roman Müller - Easy Life (Vlog No Copyright Music)


【YAMAP活動記録】
https://yamap.com/activities/19178361

#日本百名山
#巻機山
#越後駒ケ岳
#八海山
#中ノ岳

show more

Share/Embed