保坂 和志(作家)×西川 アサキ(哲学者) 小説家の中の混沌(リアル)に触れる
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 Published On Oct 12, 2015

2015/9/29収録

『遠い触覚』刊行記念対談

保坂 和志(作家)
西川 アサキ(哲学者)

 小説家の生きることののすべて、そして一瞬のひらめきの集積――2007年に雑誌『真夜中』でスタートした奇跡の連載「遠い触覚」が、ついに完結となった。
 8年越しで刊行となる本書の「あとがき」で、保坂さんはこう語る。

「私はこの連載で考えていたことが『未明の闘争』と『カフカ式練習帳』になったんだと気がついた」

 2003年に長篇『カンバセイション・ピース』を発表して以降、「もう小説を書かなくてもいいかな。」と思っていた小説家は、2010年以降、次々と傑作を世に送り出す。その間にいったい、小説家の身体の中で「何が」起こっていたのか?

 対談相手は、今回が初顔合わせとなる哲学者の西川アサキさん。
 小説家の中に潜む“混沌という名のリアル”という「謎」に迫り繰り広げられるふたりの対話はいつしか、「世界の秘密」にまで近接する?!

出演者紹介
保坂和志●プロフィール 1956年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾』で芥川賞、97年『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞と平林たい子文学賞、2013年『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞。
他の著書に『プレーンソング』『猫に時間の流れる』『残響』『もうひとつの季節』『生きる歓び』『明け方の猫』『カンバセイション・ピース』『朝露通信』『世界を肯定する哲学』『小説修業』(小島信夫氏との共著)『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『途方に暮れて、人生論』『小説の誕生』『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』『小説、世界の奏でる音楽』『猫の散歩道』『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』など。近刊に『チャーちゃん』(絵=小沢さかえ)がある。

西川アサキ●プロフィール 1975年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士修了。神戸大学大学院自然科学研究科後期博士課程修了(博士(理学))。専門は哲学と人工知能の交差領域。「情報=機能」と「情報でないもの=クオリア」の関係、「心身問題」を研究テーマにしている。著書に『魂と体、脳――計算機とドゥルーズで考える心身問題』(講談社選書メチエ)『魂のレイヤー社会システムから心身問題へ』、共著に『吉本隆明論集 初期・中期・後期を論じて』がある。

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