甫木元空 個展 その次の季節
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 Published On Jun 14, 2021

四万十町在住の映画作家・甫木元空(ほきもと・そら)の個展「その次の季節」を開催します。

甫木元空 個展 その次の季節
会期:2021年6月12日(土)〜7月4日(日)※月曜休館 
開館時間:9:00〜17:00
主催・会場:すさきまちかどギャラリー/旧三浦邸(高知県須崎市青木町1-16)
キュレーター:塚本麻莉(高知県立美術館 学芸員)
助成:公益財団法人高知県文化財団
後援:高知新聞社、RKC高知放送
協力:コールサック社、山本衛、幡多高校生ゼミナール
詩:大崎二郎
音楽:Corey Fuller
音響設計:WHITELIGHT

 これまで甫木元は、自身の個人的な記憶や身体的感覚を手がかりに、映画や音楽の領域を自由に行き来して表現活動を展開してきました。本展では一般に「ビキニ事件」と呼ばれる核被災事件を取り上げ、高知在住の関係者に取材した新作を発表します。
 1954年、マーシャル諸島ビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で発生した放射性降下物は、近隣海域で操業していた日本のマグロ漁船に降り注ぎ、広島・長崎に次ぐ新たな被曝者を生み出しました。生活のために過酷な労働環境のマグロ漁船に乗り込んで被曝し、さまざまな理不尽を負わされてきた元漁師やその家族たち。作家は取材を進めて状況を咀嚼するなかで、事件前後の壮絶な日々を語る人々の姿に、日本の戦争責任を訴え、負の歴史の忘却に抗った須崎市出身の詩人・大崎二郎の姿を重ねるようになりました。
 薄れていく記憶。洞察に富んだ詩人の言葉。老いる人間とは対照的に、変わらず存在する海。甫木元は過去を語る関係者の姿に複数の異なる文脈を有機的に接続し、映像や音声を駆使したインスタレーションとして組み立て、これまでにない角度から事件にまつわる人々の記憶に光をあてることを試みます。大崎の詩集タイトルから引用した「その次の季節」という展覧会名には、現在を生きる作家の、過去の世代が体験した歴史を受け継ごうとする意思が込められています。本展が、作家の視線を介して大文字の歴史の行間を覗き、事件に翻弄された人々の存在に目を留める機会となることを願っています。


◆ 作家プロフィール
甫木元空 (ほきもと・そら 1992〜)
埼玉県生まれ、高知県四万十町在住。多摩美術大学映像演劇学科卒業。手がけた映画に2014年の「終わりのない歌」や全国劇場公開された16年の「はるねこ」などがある。MV制作や音楽活動も行い、19 年には4 人組バンド「Bialystocks」を結成、ボーカルや作詞を担当。20 年、須崎市のアート事業「現代地方譚 8」の総合ディレクターを務めた。映画による表現をベースに、音楽制作やライブ演奏パフォーマンスなど、ジャンルにとらわれない横断的な活動を続ける。

◆ 関連イベント
① アーティスト・トーク【参加無料】
日時:6月12日(土)、14:00〜
定員:10名
② 山下正寿氏による特別レクチャー【参加無料】
幡多地域の高校生による自主サークル「幡多高校生ゼミナール」の学生たちと共に、80年代からビキニ事件の被害者の聞き取り調査を続けている山下正寿氏をお招きし、教育者としての観点から、これまでの活動についてお話いただきます。
日時:6月26日(土)、14:00〜
定員:10名
③ 生演奏付き映画上映会「終わりのない歌」
日時:7月4日(土)、14:00〜
定員:20名
会場:すさきまちなか学舎(須崎市東古市町2-2)
「終わりのない歌」(監督:甫木元空、2014年、68分)
作家自身の亡父が撮影したホームビデオを素材に用いたセルフ・ドキュメンタリー。息子の成長を見守る父の視線と、成長して父を喪った息子の視線が交錯し、ある家族の過去と現在の姿が浮かび上がる。
本上映は、作家による生演奏付きでお送りします。

参加無料。すべて先着申込制。下記リンクの 申込フォームからお申し込みください。
https://forms.gle/eeumpz91p5m8DpeS7
新型コロナウイルスの感染の状況によっては、イベントを中止する可能性もございます
当館ではご来場のお客さまに検温と手指の消毒、マスクの着用をお願いし、会場の換気、入場制限を行いながら展覧会を開催しております。移動が憚られる状況ですが、十分お気を付けの上、ご高覧いただけますと幸いです。

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