ザ•カゲスター【最終回】/1976年10月11日(月)夜7時:前編
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 Published On Jul 20, 2024

『ザ・カゲスター』は、1976年4月5日から同年11月29日まで全34話がNET系で毎週月曜日19時00分 - 19時30分に放送された、東映制作の特撮テレビドラマ。

ストーリー
白蝋魔人の一団に誘拐された風村コンツェルンの令嬢・鈴子とその秘書・姿 影夫は、隙を見てアジトから脱出に成功する。だが、逃げる途中で2人は誤って崖から転落、ともに高圧電線に触れてしまった。そのとき、電気ショックによって悪を憎む2人の心が影に宿り、カゲスターとベルスターの2人の超人が誕生した。

影夫と鈴子はカゲスターとベルスターの力で悪と戦うことを決意。私利私欲のために人々を苦しめる犯罪者たちを次々と倒してゆく。やがて彼らの背後に、ドクター・サタン率いる巨大組織「サタン帝国」の存在が浮き彫りとなる。カゲスターとベルスターは、世界征服を目論むサタン帝国の怪人たちに敢然と立ち向かう。

特徴
人間の記憶や性格、声をインプットしたロボット変身ヒーロー「宇宙鉄人キョーダイン」に続く東映の異色変身ヒーロー物で、本作品は主人公の影に魂が乗り移り戦うという異色の設定である。「変身」に代わるヒーロー登場の手段として「影よ、行け!」という掛け声と分身ポーズが存在した。

男性と女性のペアの主人公は珍しくないが、普段の人間の姿のときは女性のほうが上位で男性が部下というのは珍しい。シリーズ前半ではサラリーマン喜劇の要素も取り入れられている。

第12話までは、それぞれ独自の組織を率いるさまざまな犯罪者が登場した。これらの犯罪者は顔や口元が露出しているケースが多く(一部は頭部にマスクを着用)、完全な着ぐるみからの脱却を図っていた。ヒーローが、特定の組織ではなく、毎回違った犯罪者と対決するという構図は『バットマン』などアメコミの強い影響を受けている。

実写である本作品ではさまざまな制約の関係上、中盤からは、影夫や鈴子が直接変身したような描写に変更されるなど試行錯誤が続いた。

マントを効果的に魅せるアクションやベルスターのミニスカートを翻しての立ち回りが話題となった。影を用いた独特な演出も特徴となっており、カゲロベェの作画合成など独特な映像表現もファンからは高く評価されている。

制作
「原作・八手三郎」という肩書きの最初の作品である。実際の企画は仮面ライダーシリーズなどを手掛けた東映プロデューサーの平山亨と阿部征司、後にスーパー戦隊シリーズの企画協力を担当する企画者104によって制作された。

当初はアニメ作品として企画されていたが、広告代理店の大広側からの意向もあり特撮作品へと変更された。

プロデューサーの平山は、元東映社員でのちに旭通信社のプロデューサーとなり、『マジンガーZ』などをプロデュースした春日東とは仕事上の交流はなかったが、春日は平山を東映本社で見かけると話しかけることがあったという。ある日、春日が「平山さんの作品は敵も味方も着ぐるみだけど、たまにはどちらか着ぐるみじゃないものは出来ないのか」という意見を出したため、本作品では敵を生身の人間とした。しかし、撮影スタッフから「いくら悪人でも生身の人間をヒーローがやっつけるのはイジメのようでやりにくい」という苦情が出たため、サタン帝国が登場する第13話以降は普通の怪人となった。その後の『快傑ズバット』では、敵も生身の人間であると同時に、ヒーローであるズバットも生身の人間が強化服を着用している設定とした。

後に東映で数多の特撮作品を演出する長石多可男が、本作品で公式に監督としてデビューを果たしている。長石は本作品のオープニング・エンディングの演出も担当した。デビュー作となった第13話は「難解」という理由でリテイクを出され、不本意ながら撮り直した。長石は後年のインタビューで「その回のビデオを貰って久々に観たが、やっぱりどこが難解なのか分からなかった」と語った。また、カゲスターについて「最初にあのヒーローを見たときは『何だこれは!?』と思ってびっくりした」と述懐している。

本作品は「宇宙刑事シリーズ」などで怪人デザインを多数手がけた野口竜の東映特撮初参加作品でもある。野口は後年「(カゲスターのデザインは)従来のヒーローとは違った斬新なデザインにしようと随分と凝りました」「仕事のシステムが今(1985年)とは違い、他のスタッフと会うことも少なかった」とコメントしている。

カゲスター
影夫の影が実体化した戦士。
デザイン画ではマントの柄は全体に星が散りばめられたものであったが、この柄はベルスターのマントに流用された。
ベルスター
鈴子の影が実体化した戦士。
企画当初の名称は「メルスター」、乗用マシンは「メルカー」とされていた。
デザイン画ではレオタード風の衣裳であったが、実際のスーツはミニスカートとなっている。デザインを手掛けた野口竜はイメージソースとして映画『禁断の惑星』のアン・フランシスを挙げている。

姿影夫、カゲスター:立花直樹
風村鈴子、ベルスター:早川絵美
神成部長:小松政夫
風村社長:天草四郎
風村牧子:浜田ゆう子
屯田警部:小林昭二
業平刑事:星純夫
千秋:渡井直美
タケシ:佐野伸寿
タケシの友人:古見則彦(サブロー)、牛山蕗子(マコ)、小貫千恵子(チコ)、清水大輔(イサオ)
ドクターサタンの声:納谷悟朗
鈴の声:矢島洋子
カゲロベェの声、ナレーター:沢りつお

スタッフ
原作:八手三郎
連載:てれびくん、小学館学習雑誌、テレビランド
プロデューサー:吉津正(NET)、松永英(大広)、平山亨、阿部征司(東映)
脚本:放映リスト参照
監督:放映リスト参照
音楽:渡辺岳夫[注釈 9]
音楽制作:あんだんて
撮影:小林武治、古市勝嗣、吉田重業、小川康男、加藤弘章
照明:酒井信雄、戸塚和夫、銀屋謙蔵、城田昌貞、山岸清海
美術:川村晴通、阿部三郎、大瀬賢一
助監督:長石多可男、小林俊夫、鈴木隆志、松本喜隆、堀内泰治、天間敏広
作画(キャラクターデザイン):野口竜
録音:北條照二
編集:吉川泰弘、祖田富美夫
選曲:秋本彰
効果:原田千昭
進行主任:飯田康之、工藤孝行、原田良彦、伊藤隆造、伊藤一男、立花浩
記録:山ノ内康代、久保田民子、福富京子、紀志一子、阿部道子、森美礼、川村澪子、植松よし子、津田のり子、船津一 ほか
オートバイアクション(特技):高橋政生、熊沢敏明
技斗:渡辺安章、岡田勝
企画協力:企画者104
制作担当:末永和雄、大里俊博
特撮:特撮研究所、石山信雄
特殊美術:コスモプロダクション
現像:東映化学
オートバイ協力:鈴木自動車工業
衣裳協力:子供服のチャイルド
美術協力:島野工業
車輛協力:いすゞ自動車
制作仕上:映広音響
装置:協和美建、生田美術
装飾:大晃商会
衣裳:東京衣裳
美粧:入江プロ、佐藤せつ子
制作:NET、東映、大広
主題歌・挿入歌
主題歌シングルは1976年4月25日発売(SCS-294)。挿入歌の初出は1976年8月25日発売の「テレビまんが人気者(アイドル)デラックス 5」(CW-7076)。

全曲とも、作詞は八手三郎、作曲は渡辺岳夫、編曲は松山祐士による。

主題歌
オープニングテーマ「輝く太陽カゲスター」
歌:水木一郎
映像は2バージョン有るが、いずれもベルスターは登場しない。
藤井健とザ・ブレッスン・フォーによるカヴァー版(編曲は筒井広志)が存在する[注釈 10]。
『ペットントン』でも使用されている。
エンディングテーマ「スター! スター!! カゲスター」
歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
こちらの方の映像には、ベルスターが登場している。

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