【探訪】「歴史的電波ここから」  長崎県佐世保市・針尾送信所
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 Published On Oct 20, 2009

長崎県佐世保市の中心街から南へ車で40分。佐世保湾の一角、渦潮の名所として知られる「針尾瀬戸」を見下ろす小高い丘に、その3本の塔は建っていた。鉄筋コンクリート製、高さ137~135メートル、直径約12メートル。正三角形をかたどる位置どりだ。  「針尾送信所」と呼ばれ、海上保安庁が管理する無線基地。10年前まで現役を務め、役目を終えたが、かつて、歴史的電波を送信した施設の一つだった。 「ニイタカヤマノボレ一二〇八(ヒトフタマルヤ)」(12月8日午前0時に開戦する)、 防衛省防衛研究所によると、この電文は昭和16年12月2日、瀬戸内海に停泊していた連合艦隊旗艦「長門」から有線電話で呉通信隊(広島)に伝えられ、暗号化された後船橋送信所(千葉県)、依佐美送信所(潜水艦用超長波送信、愛知県)、鳳山送信所(台湾高雄県)、針尾送信所などから、各方面に展開するすべての艦隊に伝えられた。開戦6日前のことだ。  電文を乗せた長波は天候などに影響されやすいため、この日は時間や送信所を変えながら、数十回にわたって送信されたという。  塔が作られたのは大正7年から。すべて手づくりで完成まで4年かかった。 (写真報道局 大井田裕)

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