知床事故から約1年2か月… 観光船コースが運航再開 クマやイルカ 美しい世界遺産は「安全第一」 (23/06/20
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 Published On Jun 20, 2023

北海道・知床沖でKAZU1が沈没した事故から約1年2か月。

 自粛されてきた事故があったコースと同じ知床岬沖を巡るコースが6月再開しました。

 観光客が乗船し、半島先端の自然を楽しみました。

 知床岬コースの運航を再開したのは斜里町・ウトロ漁港を拠点とする小型観光船です。

 今月17日、風速や波の高さなど運行基準を満たしているとして午前9時に出航。

 乗客23人は救命胴衣を身に着け、知床の雄大な自然を楽しみます。

 田中 うた乃 記者:「きょうは波は1mもなく、船はほとんど揺れることもありません。視界も良く、奥の知床半島先端も望むことができます」

 半島に住む野生動物を間近で見ることができるのも、小型観光船の魅力のひとつ。

 目撃率は8割を超えるというクマの姿や、絶滅危惧種の野鳥ケイマフリ、イルカの姿などを見ることができました。

 オランダからの観光客:「楽しいです!イルカの写真とれました!」

 出航から約1時間後、ルシャ湾の付近で風が強くなってきました。

 船長は風速計で運航の基準値が超えていないか確認しました。

 観光船の船長:「いま5~6mの風になっています。規定範囲内の風ですので、進んでいきますよ」

 そして、出航から1時間20分後…。

  田中 うた乃 記者:「あちらに見えますのがカシュニの滝です。この付近でKAZU1が沈没しました。」

 船内では事故の説明はなく、乗客らは滝の写真を撮るなどしていました。

 午前10時50分、折り返し地点の知床岬に到着しました。

 近くには文吉港があり、天気が悪化した際には避難するよう事故後、改めて周知されています。

 一方、残る課題も…。

 田中 うた乃 記者:「知床岬周辺です。スマートフォンで電話をかけてみます。繋がらず『ネットワークに登録されていません』と表示されます」

 半島先端では携帯キャリアによって通信できない場所があり、総務省などは半島付近4か所に基地局を整備する予定です。

 出航から約3時間、船はウトロ漁港に戻りました。

 千葉県からの乗船客:「楽しかったです。3時間乗りごたえがあって良かった」

 オランダからの乗船客:「(事故現場付近では)切なくなりました。『冷たかっただろうな』と。胸が痛くて心の中でお祈りしました」

 知床岬コースの再開に事業者は、より一層、安全意識を高めています。

 知床小型観光船協議会 神尾 昇勝 会長:「行方不明の方がまだいらっしゃる場所になるので、非常に複雑な部分はあったが、長いコースの再開で、運航判断も港と岬先端の気象の違いもあるので、注意しながら安全運航を続けたいと思います」

 「安全第一」の船の旅。知床岬コースの運航は9月30日までです。

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