仙台市内を拠点に活動する社会人カーリングチームがあります。宮城県内に専用のリンクはないものの、カーリングの楽しさを広めたいと競技に打ち込む社会人選手の挑戦を取材しました。「HotShot！」は年齢・職業ことなる5人のチーム仙台市の社会人カーリングチーム「HotShot！（ホットショット）」。この日、岩手県盛岡市のリンクで練習試合に臨みました。「調整する時間ももう少ないから、まずリリースしっかり意識しよう。集中して、行きましょう！」チームは2019年に結成。22歳から37歳まで年齢や職業もことなる5人で活動しています。「イエス（掃け）！イエス！ないならウォー（掃かない）だ失速する？」別名「氷上のチェス」とも呼ばれるカーリング。カーリングは頭をフル回転！なので「もぐもぐ」も重要です重さおよそ20キロのストーンをおよそ40メートル先にある円、ハウスの中心の近くに置くことを競うスポーツです。競技では氷の粒をブラシでこすることで、ストーンの速さを調節します。常に氷の状態が変化するためコミュニケーションが欠かせません。「かわせたかもね」「意外と伸びたもんね」「やっぱり最初のやつより曲がるか」「2点取れるかな」「いや、2取れるな」「ムズいけど…」競技では頭をフル回転させるので、糖分も必要です。全国的に話題になった「もぐもぐタイム」も試合の大事なポイントなんだとか。「脂質見て、つぶあんにした」チームで二番目にストーンを投げる「セカンド」を務める加藤寛さん（34）は、競技歴5年です。加藤さんは「器用なオールラウンダー」セカンド　加藤寛さん：「昔から見ていたんですけど、ピョンチャンオリンピックでロコ・ソラーレが銅メダルを獲得して『あ、やってみたいな』と思って（始めた）」チームのメンバーは、加藤さんに「器用なオールラウンダー」として信頼を置いています。サード　鎌田優斗さん：「女子力が高い、器用、コミュ力も高い。『爽やか好青年』な方です。セカンドっていうポジションなんですけど、いまだと攻守の切り替えとかそれこそ器用さが求められるようなポジション」加藤寛さん：「すごい褒めてくれました」そんな加藤さんの職業は、意外なものでした。加藤さんは「公務員獣医師」獣医師の免許をもつ加藤さん、普段は牛肉や豚肉などの食品衛生の管理をする仙台市の「公務員獣医師」として働いています。加藤寛さん：「食肉衛生検査場という配属先に務めてますので、仙台市内に出回る食肉、家畜として市場に搬入されたものを精密検査して、食品の安全性を確保するような仕事をしています」仙台市に拠点を置き、仕事のかたわらカーリングを続ける5人ですが、市内では試合が出来ないといいます。仙台にはカーリング専用のリンクがなかった・・・スキップ　野口航太郎さん：「仙台でカーリング専用のシートがあれば、練習はできるんですけどアイスリンク（仙台）だとなかなか難しい面があるので、大会とかを見据えたような実際の大会に近いようなアイスで練習するには、専用のシートにも足を運ばないといけないかな」仙台市にはカーリング専用のリンクがありません。このためチームは月2回、市内のスケートリンクを借りて練習しています。仕事が終わった夜に2時間の練習。このうち1時間以上を費やしてスケートで出来た凹凸を整備しなければなりません。加藤寛さん：「しっかり平らにするっていう作業をしないと、うまくいかなくて。カーリングっていう競技自体が成り立たなくなる」しかし、ハンデをものともしない加藤さんたちの快進撃がはじまりました。カーリングの競技人口を増やしたい！チームは去年12月に行われた東北選手権で優勝。そして2月に行われた全日本選手権では強豪の実業団チームも出場するなか3勝を挙げ、6位となりました。北京オリンピックで銀メダルを獲ったロコ・ソラーレとも同じ舞台に立つことができました。カーリングはメンバーそれぞれの関係性が、そのまま強さにつながるところに面白さがあると加藤さんは話します。加藤寛さん：「チームメンバーとコミュニケーションをとらないと思い通りのショットっていうのはなかなかできないものなので。一個一個みんなで考えて楽しめるっていうのは最大の魅力かなと思います」自分たちが結果を残すことで宮城でもカーリングができることを知ってほしい。練習環境に恵まれてはいませんが、そのハンデにも負けないと加藤さんは話します。加藤寛さん：「カーリングを宮城でもできるということをみなさんご存じじゃないと思うので、より宮城の方にカーリングを体験していただいて競技人口を増やしていけたら」多くの人にカーリングの魅力を知ってもらうため5人の挑戦は続きます。

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