64 LSTM (Long-Short Term Memory)
Ruo Ando - 安藤類央 (国立情報学研究所) Ruo Ando - 安藤類央 (国立情報学研究所)
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 Published On Oct 9, 2024

LSTM、つまり「ロングショートタイムメモリー」の話をしたいと思います。これは、確かドイツの研究者たちが1997年に考案したもので、かなり古い技術です。約27年前のことです。異常検知には、「チェンジファインダー」「オンラインベイズ」などが使われていますが、現状としては「LSTM」が使われることもあります。これはいわゆる圧縮型の以上園地に分類されるでしょう。また、深層強化学習などでも「LSTM」が内部に組み込まれることが多いです。自然言語処理においても、「LSTM」はエンコーダーとしてほぼ定着していると言えるでしょう。

「勾配消失問題」との関係
「LSTM」が考案された背景には、勾配消失問題がありました。これは、ディープラーニング以前に問題視されていたもので、ネットワークの中間層が増えると勾配に関する重要な情報が消えてしまう現象です。LSTMは、この勾配消失問題を解決するために作られました。基本的にセルを利用することで、勾配消失問題がほぼ解決され、他にも対応する技術がいくつかありますが、LSTMを使うことで性能が大幅に向上します。LSTMの強みの一つは、内部に三つのゲートがある点です。

「LSTM」の構造
LSTMには、次の三つのゲートがあります:

忘却ゲート: 不要な情報を削除し、重要な情報を保持します。
入力ゲート: 新しい情報を記憶に加える役割を担います。
出力ゲート: 長期状態から必要な情報を取り出し、次に伝達します。
これにより、LSTMは長期的な情報の管理と記憶の活用が可能になり、時間依存データの処理で非常に強力です。

デコーダー・エンコーダーモデルとの関係
LSTMは、エンコーダー・デコーダーモデルの中核部分としても広く使われています。エンコーダーは入力データを圧縮し、コンパクトな形式で特徴を抽出します。LSTMを使うと、この圧縮された情報を過去の文脈や時系列の関係を保ちながら効率よく保持できます。その後、デコーダーがエンコーダーの出力を元に、新しい情報や予測結果を生成します。これにより、翻訳やテキスト生成、音声認識などのタスクで優れたパフォーマンスを発揮します。

まとめ
LSTMは、忘却ゲート、入力ゲート、出力ゲートを駆使して、短期・長期的な状態を管理しながら複雑な長期時間依存のあるデータを処理します。さらに、エンコーダー・デコーダーモデルとの組み合わせで、その性能はさらに強化され、多くの応用分野で利用されています。LSTMは、勾配消失問題を克服し、深層学習における重要な役割を担う技術です。

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